仏教者と科学者の対話 [学習・蓄積]
こころを学ぶ ダライ・ラマ法王 仏教者と科学者の対話 講談社
著者:ダライ・ラマ法王/村上和雄・井村史夫・佐治晴夫・横山順一・米沢富美子・柳沢正史・矢作直樹・河合徳枝 を読みました。
興味深いお話ばかりでしたが、特に、米沢富美子先生の「『あいまいさの科学』と人間」が、大変印象に残りました。
米沢先生は「あいまい」を8つに分類されました。
①多義性・両義性…正解が1つでない。
②多値性…数字を入れることで、あいまいさを制御できる。
③漠然生…境界があいまい(何歳からおばさん?)
④蓋然性…未来があいまい(夢と現実のギャップ)
⑤予測不能性…不安定解(天気予報が当たらない)
⑥不確定性…本質的に測れないもの。
⑦多様性…未来は公式に{t}、過去は公式に(マイナスt)と入れたらよいが、私たちの経験は、時間は一方向にしか、進んでいない(時間の矢が、一方向、エントロピー)
⑧不可知性…知ることができない(ビックバン以前のこと)
※127ページから137ページを引用・参考
「あいまい」というたった1つの言葉を、こんなに噛み砕いて説明されるなんて、目から鱗です。
そして、米沢先生の力強いお言葉も、心に残りました。
・(略)先の見えない世の中というのは当たり前なので、先が見えたら逆に怖いですよね。だから、あいまいさがあっても、「先が見えない=希望のない世の中」と思うのは間違いです。(略)あいまいであることを不自由に感じずに、当たり前と思って生きていきましょう。あいまいを前進のための武器として生きていこうということが私からのメッセージです。自分の手で勝ち取ることをすれば、何も怖いものはないと思います。あきらめなければ何でもできるし、現在、今の自分が未来の自分を作っていくということを考えて進んでいきたいと思っています。(※139㌻を引用)
あいまいさを楽しみながら、生活を送ることで、心身ともに余裕ができるんじゃないかと思いました。
ステキな本に出会えて、よかったです。
yanさん、makimakiさん、nice!ありがとうございます。
by 石田和之(♯62) (2014-04-26 19:54)